キャンプ用品などの販売を行っているVASTLAND株式会社(本社:兵庫県姫路市/代表:田中悠貴)は、和歌山県紀南教育事務所の職員16名に向け「キャンプから学ぶ火育」をテーマにした体験型講座を2025年2月28日(金)に実施しました。
当講座の「火育」は、キャンプの知識を活用し「焚き火の火起こし」などの体験を通じて、火に関する正しい知識や使い方を学び、火を扱う力を育てることを目的としています。
その他「説明書を見ずに行うテント設営」をゲーム感覚で体験することで、座学では得られない「学び・楽しみ・つながる」を実感してもらい、身に付けたスキルを各地域の学習の場に役立たせることを狙いとしています。
参加者からは「火育だけでなく、所属や役割の垣根を越えたコミュニケーションが生まれた」という感想が届いており、キャンプを通じた学びの効果を実感していただきました。
VASTLANDと紀南教育事務所との出会いのきっかけは、1通のお問い合わせです。
その内容は「地域住民に向けた学習テーマを、もっと楽しく・つながりのあるものにしたいが、自分たちだけでは新たなアイデアがなかなか生まれない。そこで、和歌山県に縁のあるVASTLANDと連携することで、新しいアイデアを生み出し、学習の機会を増やせないか」というものでした。
紀南教育事務所は「『学び・楽しみ・つながる』機会を創出することで、参加者が人のつながりを広げるとともに、生涯にわたる学びへの意欲を高めるきっかけづくり」をミッションの1つとして掲げています。各地域の職員が奮闘するものの、限られた人員と予算で地域ごとにテーマを思案し、学びの機会を作ることは簡単ではありません。また、紀南地域は2市・9町・1村と広域で構成されており、地理的な事情から職員同士のコミュニケーションの場も少ないのが現状でした。
当社はこの課題に対して、キャンプが持つ「レジャー」の側面だけではなく、成長やコミュニケーションといった「学び」の効果を活かすことで、新たな学習テーマを生み出すことに、貢献できるのではと考えました。
そこから、紀南教育事務所の方々とディスカッションを重ね、2024年から連携がスタートしました。
今回、当社が提案する講座において、大切にしたポイントは3つです。
特に大切にしたのは「職員の方自らが楽しめる内容にすること」です。
どれだけ学びのある講座であっても、これから講座を主催する職員の方が「楽しい」と思える実体験がなければ、継続するのが難しいと考えたからです。これらポイントを軸に、講座を実施しました。
午前の「火育」講座では、キャンプの「焚き火」の基礎知識として、最小限の道具だけで火を起こし、火を安全に扱う方法をレクチャーしました。具体的には「斧とくさびを使った薪割り」「薪や松ぼっくり・マッチのみを使った火起こし」「炭の処理方法」について、参加者全員に体験していただきました。途中には、焚き火の良さを体感してもらうため、スマートフォンを持たず焚き火を囲む「デジタルデトックスタイム」を設定しました。
午後からは、チームに分かれて競う「テント設営対決」と「モルック大会」を実施しました。
テント設営は、災害時にも役立つ簡易式のテントを、説明書を見ずに組み立ててもらうことで「自分で考える力が身に付く」ことを狙いとしています。チーム対決にしたことで、メンバーで助け合う機会が増え、自然発生的なコミュニケーションが生まれていました。
モルック大会では、この日初めて会った人も多いとは思えないほど、チームメンバーを応援する楽しそうな大声が響いていました。
参加者からは「正しい焚き火の知識を学ぶことができた」だけでなく、これまで繋がりの薄かった別地域の職員の方とコミュニケーションが取れたことで、地域のつながりが生まれたという感想が届きました。
「火の扱い方は、学校や家庭で習う機会がほとんどないと思うので、キャンプを通じての講座は、子どもにとっても良い学びの機会になると思う。」
「焚き火は何度か経験があるが、正しい方法を学んだことがなく、着火用とくべる用で薪の太さを変えるなどを学ぶことができ、非常に参考になった。」
「とにかく非常に楽しい講座でした。所属や役割の垣根を越えた交流ができたと思います。今回の事業に参加したことで、より深く横のつながりを作ることができたと感じています。」
「普段はスマートフォンが常に近くにある生活をしているので、デジタルデトックスができてよかった。スマートフォンを持たない時間をつくることで、相手の表情をしっかり見る ⇒コミュニケーションが生まれる時間になり、非常に良いと思いました。」
「学んだ内容を活かし、来年度計画に火育研修を取り入れようと思う。また、モルック体験も楽しかったので、公民館事業などで活かしたいと思った。」
当社は今後もキャンプの知識を活かした体験型講座を、自治体や団体に向けて開催することで、参加者が講座での体験を活かし、それぞれの地域に活用してほしいと考えています。
キャンプから学ぶ火育
2025年2月28日(金)
白浜町立 児童館
【午前の部・火育】
・焚き火のマナー(実施場所や処理方法)
・薪割り(手斧・くさびを使った薪割りの方法)
・焚き火・薪ストーブの火の付け方
・焚き火鑑賞(デジタルデトックス)
【午後の部・コミュニケーション】
・チーム対抗テント設営
・テントでの過ごし方体験
・モルック大会